【Alice & Guy & Benihi】
アリス「静岡県議会九月定例会に提出される予定だった『県製茶指導取締条例』の廃止案が、
   県民の八割の反対を受けて、提出が中止されることになったわ」


  『製茶条例廃止案 意見公募の8割「反対」 9月議会提出見送りへ 静岡』(2017年08月03日付 産経新聞)

紅緋「さすが茶所。品質維持のための条例があるんですねぇ。ブランドを維持するには必要
   だと思いますけど、どうして廃止なんてお話に?」

ギィ「あー、イタリアのスーパータスカンみたいなことっすね、これ?」
アリス「さすがにギィは理解が早い。この条例では、静岡で作られた緑茶に別の食品、添加
   物、着色料を使うことを禁止しているの。茶葉の素の実力だけで勝負して、ブランド力を
   高めようという狙いね」

紅緋「はい、そこまでは分かっています」
アリス「でも、例えば静岡で茉梨花茶を作ろうとすると、いちいち知事の承認が必要になるの。
   他のフレバードティの場合も同じ。多様化する消費者の好みにすぐに対応できるよう、
   条例を廃止しようとしたんだろうけど、それを県民はNOと言った」

紅緋「むむ、あちらを立てればこちらが立たずですか」
ギィ「原産地統制保護の法規制ではよく出てくる問題っすよ。自分が詳しいワインで、話を進め
   やしょう」

紅緋「お願いしますっ」
ギィ「EUの統合が進んでるとはいえ、ワイン法などの国内法にはまだまだ違いがあるっす。
   フランスの例ではボルドーが適例っすね。ブルゴーニュは、単一品種でのワイン造りを
   してるっすから」

アリス「赤なら、ピノ・ノワールかガメイ。白はシャルドネとアリゴテ。一種類のワインは、そのうち
   一種類のブドウだけを使って醸造される。ブドウ品種を混ぜない」

ギィ「補足をどうも。それに対してボルドーは数種類のブドウの混醸や独自の醸造法を認めて
   るんすよ。そこにシャトー側の工夫の余地がある」

アリス「年によって混ぜる割合を変えたりね」
紅緋「それはどちらもフランスですよね? さっきはイタリアって言ってませんでしたか?」
ギィ「そう。ワイン法は国ごとにあるんすよ。フランスにワイン法があるように、イタリアにもワイン
   法があるっす」

紅緋「それはそうでしょうね」
ギィ「で、話をイタリアワイン法に移すと、醸造に使うブドウの種類や醸造方法まで、法律で
   決めてるっす。法の定義から外れると、格付けから弾かれるっす」

紅緋「なんだか堅苦しいですね」
ギィ「そういう状況下で、ワイン法の定義や格付けなんて知ったことかという精神で全く新しい
   ワインを世に出したのが、さっき言ったスーパータスカンなんすよ。品質のためなら、法
   の定義や格付けに囚われず独自の道を行く。そういうワインは、喝采を持ってワイン界
   に受け入れられやした」

紅緋「ようやくお話が見えてきました。静岡の製茶条例は、イタリアのワイン法と同じことになっ
   てるってことですね」

ギィ「そういうことっす。スーパータスカンは、格付けなしでも高い価格で取引される一躍人気者
   になりやした。一方で、静岡茶の場合は、革新より保守の空気を感じるっすねぇ」

アリス「でも、スタンダードが無いと、そこからの逸脱も出来ないわよ?」
ギィ「いやいや、法を破ることが目的じゃ無いんで。最近は少し基準を緩めたらしいっすね、
   イタリアの法も」

紅緋「静岡の製茶条例も、条例改正で対応するみたいですね。バラエティに富んだお茶が出て
   くるのが楽しみです」

ギィ「条例は1956年施行なんすね。ワインも、これくらい厳格な、条例や国の法律があれば
   いいのに」

アリス「条例レベルでは、甲州市が原産地統制保護呼称の条例を作ってるわね。他のところ
   は、乾杯条例とかいう意味なさそうな条例ばっかりだけど」

紅緋「やっぱり国レベルで動いてもらわないと難しいんですかねぇ?」
2017.08.03 Thu l 政治・経済 l COM(0) TB(0) l top ▲

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